TOPIC(一般社団法人 ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構)、群馬大学、日本モビリティ、NEC(日本電気)は、群馬県前橋市で、ローカル5Gを活用した複数台の遠隔監視を含む自動運転バスの公道実証を、2022年2月21日から27日まで実施すると発表しました。

この実証は総務省事業である令和3年度「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の委託を受て実施するもので、自動運転実証「ローカル5Gを活用した遠隔型自動運転バス社会実装事業」として、前橋市での自動運転バスの社会実装を目指しています。

地方都市の課題として、少子高齢化や都市部への人口集中などに伴い、公共交通機関が縮小するなど地域による公共交通サービスの格差が挙げられます。また、ドライバーの人材不足も社会的に大きな課題となっています。このような背景を踏まえて、前橋市では持続的な公共交通インフラの供給に向けて、2022年度内の自動運転バスを社会実装するため、様々な取り組みを2018年から推進しています。

2020年度はキャリア5Gを活用した自動運転バスの運行の公道実証を実施済みです。2021年度も引き続き、ローカル5Gをはじめとする先進技術を活用して、自動運転バスの実用化に向けての実証を行い、その成果やノウハウを活かして実運用を目指すとしています。

今回の実証では高速・大容量・低遅延であり専用網として使用できるローカル5G設備を、中央前橋駅に設置して、周辺をローカル5Gエリア化。それを使用して公道での自動運転の評価検証をします。また、NECのAIベースの映像配信技術と映像分析に基づくアラート通知技術によって、1名のオペレーターが複数台の自動運転バスの効率的な監視を可能にする遠隔監視システムの検証も行います。

自動運転バスの社会実装をより意識するため、複数台運行の仕組みの検証として、CRANTS(群馬大学研究・産学連携推進機構次世代モビリティ社会実装研究センター)によって同センター内の試験路にて自動運転バスの遠隔操作を行います。

さらに、前橋市と同様の課題を持つ他の地域でも、ローカル5Gを活用した自動運転を実施できるように、隣接する周波数帯やローカル放送など地域独自で使用する周波数帯、キャリア5Gなどと干渉しない仕組みとして必要なモデルを作成するため、電波伝搬モデルの精緻化を実施するとしています。

この実証では、限定したエリアでのレベル4自動運転(完全自律型自動運転)の社会実装を想定していて、日本中央バスの通常運行のバスとして利用者を乗せて行います。なお、本実証では公道走行時にCRANTSの遠隔管制室から遠隔監視することで完全自動運転を行いますが、ドライバーが乗車し、緊急時にはドライバーの判断で手動運転に切り替えることで安全性を担保します。

●実施ルートなど

群馬県前橋駅から中央前橋駅までの区間(約1km)
期間: 2022年2月21日から27日まで
※2月24日と25日はメンテナンスのため自動運転バスは運休しますが、通常のシャトルバスは運行します。