
東京都では「未来の東京」戦略をかかげて、2025年の無人自動運転による移動サービスの実現を政策目標としています。また、「スマート東京実施戦略」でも、自動運転の実用化によって、都が抱える課題の解決を目指しています。
都庁のある西新宿エリアは、輸送ニーズの高い地域であるうえ、「スマート東京先行実施エリア」として、先行的に5Gを整備していることから、自動運転の早期事業化(2023年度)を進めています。また、臨海副都心エリアでは、自動運転技術を活用して地域の課題である回遊性の向上や、賑わいの創出につなげることを目指していて、こちらについては今年度より実証実験を開始します。
東京都では、今年度、両エリアにおいて自動運転の実証実験プロジェクトを募集していましたが、外部有識者等による審査を経て、実施するプロジェクトが決定しました。
西新宿エリア
【テーマ】 都心部特有の自動走行困難な営業ルートでの自動運転バス運行実証
【プロジェクト実施者】
京王電鉄バス株式会社 京王バス株式会社/京王電鉄株式会社/株式会社京王エージェンシー/日本モビリティ株式会社/ソフトバンク株式会社/あいおいニッセイ同和損害保険株式会社/MS&ADインターリスク総研株式会社 ほか
【主な実施概要】
- 車外カメラ画像やセンサー情報を5Gの大容量通信で送信し、遠隔監視に活用
- 顔認証情報を5Gの低遅延通信で送受信し、将来の運賃収受サー ビスの検証等に活用
- アプリを活用して自動運転バスの位置情報や車内混雑情報をリアルタイムで提供 【実験車両概要】
- 日野ポンチョロング2ドアをベースとした自動運転バス
- 従来の自動走行機能(GNSSやLiDARのスキャンマッチング機能)に加え、LiDARの白線・縁石認識機能を高度化
【実施予定時期】
令和3年11月から令和4年1月までの2〜3週間程度
【実施予定箇所】
新宿駅西口〜都庁〜都議会議事堂〜新宿駅西口
【テーマ】 まちのインフラと協調した自動運転サービスの運行実証
【プロジェクト実施者】
大成建設株式会社 株式会社ティアフォー/損害保険ジャパン株式会社/KDDI株式会社/アイサンテクノロジー株式会社/日本信号株式会社/大成ロテック株式会社/株式会社プライムアシスタンス
【主な実施概要】
- 信号や道路等に設置したセンサー情報を5Gの低遅延通信で送信し、走行支援に活用
- 非GPS環境であるトンネルの壁面改良による自車位置推定の精度を向上
- カメラ画像や車両情報を5Gの大容量低遅延通信でコネクテッドサポートセンターへ送信し、複数台同時の遠隔見守りに活用
【実験車両概要】
- トヨタJPN TAXI 匠をベースとした自動運転車両
- LiDARのスキャンマッチング等による自動走行機能に加え、インフラ支援情報による走行性向上、路上駐車回避機能等を拡充
【実施予定時期】
令和3年11月から令和4年1月までの2〜3週間程度
【実施予定箇所】
新宿駅西口〜都庁〜新宿駅西口
【実施パートナー】
小田急電鉄株式会社
臨海副都心エリア
【テーマ】自動運転車両を活⽤した臨海副都心エリアにおける新たなモビリティサービスの実証
【プロジェクト実施者】
株式会社 Mobility Technologies
【主な実施概要】
自動運転車両を活用した臨海副都心エリアにおける新たなモビリティサービスの実用性等について、協力会社と連携し、実環境を想定した実証を行う。
【実験車両概要】
- 国産自動運転車両を使用
- 安全性に配慮し車内に搭乗員を配置の上、自動運転 レベル2相当で運行予定
【検証内容】
- 自動運転による回遊性の向上や賑わいの創出等の地域課題解決可能性の検証
- 自動運転車両を活用した新しいモビリティサービスの事業性、受容性、有効性の検証
【実施予定時期】
令和3年11月から12月までの間で2週間程度
【実施予定箇所】
臨海副都心エリア シンボルプロムナード公園内