レクサスLS/トヨタMIRAI

従来、自動車における三要素とされてきた「走る、止まる、曲がる」は自動運転時代になっても変わることはありません。それぞれにおいて、今まで以上に信頼性と安全性、制御の精密性が問われることになり、自動運転レベルが上がるにつれて、それらも当時に高いレベルが要求されます。

今回、部品サプライヤーであるジェイテクト(JTEKT)が開発した電動パワーステリングは電源を含むハードウェア二重構造を実現しているもので、万が一、メインのシステムが故障などでダウンした場合も、そのままの機能を維持することができ、運転を続行できるのが特徴です。

2021年4月に発売されたトヨタのミライとレクサスLSの一部(高度運転支援車両)に純正採用されています。

注目なのは、ジェイテクトが独自にJFOPS(JTEKT Fail-OPerational System)と呼ばれる安全基準を設けて、それに沿った開発が行われていることです。JFOPSは現在、0から4までのレベルに分かれていて、これはADASレベルとリンクしたものとなっています。内容は緊急時の対応レベルにも準じていますが、今回の電動パワステは最上位のJFOPS4を採用をしており、ADASレベル3以上に対応。緊急時でも100パーセントの機能をそのまま引き継いで作動するものです。

自動運転については、制御システムに注目が集まりがちですが、各ハードウエアは着実に進化していて、ソフトウェアと密接にリンクしながら機能を高めていると言っていいでしょう。

JFOPS
JFOPS
回路構成概略図(JFOPS4)
回路構成概略図(JFOPS4)