ゆっくりカート

愛知県春日井市と、名古屋大学、KDDI、株式会社KDDI総合研究所は、春日井市内にある高蔵寺ニュータウンで、2021年6月21日から2021年8月27日までの間、自動運転車「ゆっくりカート」の運行管理の実証実験を行っています。

これは同地区における新モビリティサービスによる地域活性化を目的とした「自動運転×MaaS実証企画」の第2弾として行われるもので、KDDIとKDDI総合研究所が開発した、複数予約の運行経路設定や相乗り調整を自動で行う運行管理システムを利用します。また、同システムによる予約が不要な定時定路線型ミニバスについても自動運転実証実験も同時に行います。

システムの特徴は、オンデマンド走行を行う「ゆっくりカート」の乗車予約管理、配車調整、運行経路の設定、自動運転システムへの登録等の機能を自動化します。この結果、乗車予約受け付けを行う電話受付オペレーターや、自動運転システムへの経路登録を行う車両オペレーターの負担が軽減できるだけでなく、特別なノウハウも不要になるため、自動運転サービス提供における課題解決に貢献。自動運転車を対象にして、複数予約に基づく相乗り調整を含めた運行経路の自動登録を行うシステムとしては、国内初とのことです。

自動運転向け運行管理システム 概略

この実証実験が行われる背景には、高蔵寺ニュータウンは街開きから50年以上が経過し、初期入居者が一斉に高齢期を迎えたことがあります。坂道が多いという土地柄、人口減少等による路線バスの運行本数の減少から、運転免許証返納後の移動手段に不安を抱える方が増えています。

今回、実験を行う4者は、すでに同地区内の移動を支援する自動運転サービスの実証実験を実施してきましたが、ユーザーの乗車希望に合わせて運行経路や運行時間をその都度設定する必要がありました。さらにノウハウを持つオペレーターによる緻密な計算や手作業が必要で、時間枠毎に1組のみ乗車を受け付けるという柔軟性に欠ける運用が課題となっており、この点を解消するのが今回の実証実験の目的となります。

今後についても、様々なパートナーと連携して、移動手段の拡大も含めて、地域密着型MaaSのさらなる高度化を図るとともに、社会実装に向けた取り組みを推進していくとしています。