三菱ふそう スーパーグレート

2021年6月から順次発売を開始したのが、三菱ふそうトラック・バスの大型トラックシリーズ「スーパーグレート」です。同社は2019年に国内で初めて商用車で自動運転レベル2を実現していて、今回のスーパーグレートではさらに機能を充実させて登場しました。

新たに採用されたのは、緊急時に車両を減速させながら同一車線内で停止させる、車線内停止方式のドライバー異常時対応システム「エマージェンシー・ストップ・アシスト」です。

加えて、運転支援機能をさらに進化させた「アクティブ・ドライブ・アシスト2」も新たに搭載しています。進化のポイントは追従型クルーズコントロールに、ステアリング制御を加えることで車線維持アシスト機能を加えた点にあります。

アクティブ・ドライブ・アシスト2 レーンキープ機能

「アクティブ・ドライブ・アシスト2」の作動中にドライバーが体調不良などで運転操作が行えなく場合、「エマージェンシー・ストップ・アシスト」はハンドル操作をモニターするハンズオン検知システムを通じてドライバーの異常を検知。約60秒間、ハンドル操作がない場合にはまずモニター表示と音で警告を行い、同一車線内で車両を減速して緊急停止します。

また、左折時の巻き込み防止を強化した先進運転支援システム「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」を搭載することで、被害軽減ブレーキ機能も新たに追加しています。こちらも国内商用車初の採用です。機能としてはドライバーの死角になりやすい車両左側の対象物をレーダーが検出すると、ドライバーにランプで警告します。さらに左方向にハンドル操作やウィンカーを出すと警報音で警告する安全装置です。

さらに、ランプと警報音での注意喚起だけでなく、レーダーが車両左側で並走して動く対象物を検知して、走行を続けると衝突の危険があるとシステムが判断した場合には、車両の走行速度が時速20km以下の範囲で被害軽減ブレーキを作動して車両を緊急停止させます。これによって、衝突時の被害軽減を図ることが可能になっています。

制御システム以外にも、新型スーパーグレートでは、各種法規にも対応しています。強化された法規に適合している突入事故防止のための突入防止装置に加えて、ルームミラー装着時の法規適合に対応して衝撃緩和構造を備えたタイプを採用してします。

さらに法規施行に先行して、明るい時間帯でも車両の被視認性を高めるデイタイムランニングライト、夕暮れ時のヘッドランプの点灯忘れを回避できるオートライト。そして燃料漏れ防止基準に対応した燃料タンクなど、様々な点で細かな配慮がなされています。

新型のスーパーグレートに搭載された「アクティブ・ドライブ・アシスト2」は、同じダイムラーグループとなるメルセデス・ベンツブランドの大型トラック「アクトロス」にも、同機能を搭載した新型モデルが発売する予定です。三菱ふそうトラック・バスは、今後もダイムラーのグローバルネットワークを通じて、商用車の自動化技術の開発を進めています。

ダイムラートラック社では、自動運転技術開発を行うアメリカのウェイモと、ダイムラートラック子会社のTORCロボティックス(アメリカ)との提携を通じて、レベル4の自動運転トラック開発の実現に向けて取り組みを進めているとしています。

三菱ふそう スーパーグレート 走行イメージ