丸の内 自動運転モビリティの実証実験イメージ

東京はもちろんのこと、日本の経済の中心となるのが、東京駅の前に広がる丸の内エリアです。隣接する、ふたつの地区とともに「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(大丸有協議会)」を発足して、国土交通省や東京都の支援も受けながら、街をリデザインして、都市空間の未来像を示す取り組みを積極的に行なっています。

その目的はデジタルの高度な活用などによって街の価値をさらに高めることにあります。2020年3月に策定した「大有丸スマートシティビジョン」では、誰もが快適かつ安全・安心に過ごせて、街の魅力を連続的に体験して楽しむことができる「Smart &Walkable」な道路空間の形成を掲げています。

その表われとして行なわれたのが自動運転モビリティの実証実験で、大丸有協議会と自動運転の運用に長けたボードリー社によって実施されました。走行ルートとなるのは、丸の内仲通りと呼ばれるメインストリートの往復です。両側には日本を代表する企業が入るオフィスビルが建ち並び、1階に路面ブランドショップが入るなど、最先端という言葉がとても似合うエリアとなります。

実施されたのは2021年3月8日から15日までの7日間で、平日は11時から15時。土日については、ショッピングや観光エリアとしての注目度も高まっていて人手もあることから、17時までの運行となりました。期間中は約700mの直線ルートを合計82便が運行されて、周辺の会社員と一般の合計約500名が利用しました。

丸の内エリアでの実証実験ということで、注目だったのは運行ルートを普通に歩いている人がいることでした。実証実験が行なわれる時間は歩行者天国となるだけになおさらでしたが、カメラやライダーによって人や障害物を発見すると回避したり、自動停止するので問題もなりませんでした。

丸の内 自動運転モビリティの実証実験イメージ
車両はナビヤ製アルマで、高精度のGPSを採用して、周囲監視のライダーは8個。前後にはステレオカメラも付いていました。自動運転には欠かせない高精度3Dマップも使用しているとのことでした
丸の内 自動運転モビリティの実証実験イメージ
可愛いデザインの自動運転車両が丸の内の街を走るというのは、今までにない光景でした。乗降場所でも注目を集めていました

また、電気自動車なので走行音はとても静かなため、周囲への認知ということで、車外に向けては音楽が流されていました。運行速度は約6km/hで、かなり遅いように思えますが、実際に乗った方のコメントでは街の雰囲気を感じるのにはちょうどいい速度だったようです。

今回の実証実験の結果などを元に 最終的には商用化も見据えているとのことで、シティモビリティとしてどう進化していくのか、今後も注目です。

シートは車内をグルリと囲むように設置されています。今回は実証実験ということもあって、運転手と保安員も同乗しました。運転を監視するため、レベル2になりますが、将来的にはレベル4の無人運転を目指しています

丸の内 自動運転モビリティの実証実験 マスコット