
ホンダのラインナップの中で、高級セダンとなるのがレジェンドで、その時代ごとの先進技術を搭載して進化してきました。2015年に登場した現行型は1985年に登場した初代から数えて、5代目となります。
すでに2020年11月にアナウンスされていたように、2021年3月5日にレベル3を実現した「Hybrid EX・Honda SENSING Elite」がレジェンドに追加されました。ホンダセンシングは、ホンダの安全運転技術の総称としてすでに多くの車種、グレードに設定されていて、ユーザーにも馴染みのあるものとなっています。
そのホンダセンシングの最新かつ、最高峰として登場したのが今回の「ホンダ センシング エリート」で、なかでも「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」は国土交通省から自動運転レベル3を実現する自動運行装置として型式を取得したことで、高速道路渋滞時など一定の条件下に限って、システムがドライバーの代わりに運転操作を行うことが可能となりました。

車両の制御は3次元の高精度地図や、全球測位衛星システム(GNSS)の情報を用いて、自車の位置や道路状況を把握しながら、複数の外界認識用センサーで360度の周囲を検知して走行します。また、車内のモニタリングカメラでドライバーの見守りも行います。各所から得られた多くの情報をもとにメインのコンピュータが認知や予測、さらには判断を適切に行ったうえで、アクセル、ブレーキ、ステアリングを高度に制御して上質でスムーズな運転操作を支援するとしています。
ホンダ センシング エリート 主な制御
■ハンズオフ機能
高速道路や自動車専用道で、ACCとLKASが作動中に一定の条件を満たすと、ドライバーがハンドルから手を離した状態でも、システムが運転操作を支援します。

〈ハンズオフ機能付車線内運転支援機能〉
システムが車線内の走行や追従を支援して、設定された車速を保ちながら車線中央に沿うように走行します。先行車がいる場合は適切な車間距離を保ちます。

〈ハンズオフ機能付車線変更支援機能〉
ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中に、ドライバーが周囲の安全を確認したうえでウインカーを操作すると、車線変更に伴う加減速やハンドル操作を支援します。

〈ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能〉
ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中、高度車線変更支援スイッチをオンにすると一定の条件下でシステムが状況を判断して、車線変更や追い越しなどの操作を支援します。速度の遅い先行車を検知した場合は、ドライバーに告知を行ったうえで、追い越しや車線復帰を支援します。

■トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)
ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中、渋滞に遭遇すると、一定の条件下でドライバーに代わってシステムが周辺を監視しながら、アクセル、ブレーキ、ステアリングを操作する機能です。システムは先行車の車速変化に合わせて車間距離を保ちながら、同一車線内を走行、停車、再発進をします。ドライバーはナビ画面でのテレビやDVDの視聴、目的地の検索などのナビ操作をすることができるので、渋滞時の疲労やストレスを軽減させることが可能です。


■緊急時停車支援機能
ドライバーがシステムからの操作要求にある一定時間応じなかった場合、左車線へ車線変更をしながら減速・停車を支援する機能です。トラフィックジャムパイロット・ハンズオフ機能の終了時に、システムからの操作要求に応じなかった場合、警告音を強めて、シートベルトに振動を加えるなど、視覚、聴覚、触覚によってドライバーに操作要求に応じるよう、さらに促します。それでも、ドライバーが操作要求に応じ続けなかった場合はハザードランプとホーンで周辺車両への注意喚起を行いながら、減速・停車を支援します。路肩がある場合は、左側車線に向かって減速しながら車線変更を支援します。

警告音と同時にすべてのHonda SENSING Elite 表示灯をオレンジで点滅または点灯させます マルチインフォメーション・ ディスプレーには「運転操作してください 渋滞運転機能が終了しました」と表示 運転手が聴覚・視覚への操作要求に応じなかった場合、警告音を強めるとともに、表示が「自分で運転して ください」に切り替わります さらにシートベルトを引く体感警報で触覚に訴え、より強く操作を要求します
■ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)
ドライバーへ作動状態、走行状況、システムからの操作要求をわかりやすく瞬間的に認知させるインターフェイスを採用しています。ハンドル、ナビ画面上部、グローブボックスに「Honda SENSING Elite」表示灯を装備していて、ハンズオフ可能な状況ではハンドルの表示灯がブルーに点灯し、トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)作動時は、その他の表示灯もブルーに点灯します。一方、システムがドライバーに操作を要求する時には、これらの表示灯がオレンジに切り替わって点灯・点滅するなど、わかりやすくサインとしています。また、12.3インチの大型フル液晶メーターでも、システムの作動状態や周辺車両の状況、操作要求をシンプルかつ分かりやすく表示します。

高速道路約130万kmの実証実験
今回のシステム開発では安全性、信頼性を最も重視して、リアルワールドでのシチュエーションを想定しながら約1000万通りのシミュレーションを重ねつつ、同時にテスト車両を用いて高速道路約130万kmを走行する実証実験を実施しただけでなく、万一、何らかの不具合が生じた場合の安全性・信頼性にも配慮しています。
クルマとしての魅力はエクステリアの専用装備としてブルーアクセサリーランプと専用アルミホイールを採用することで、先進性能を実現した高級セダンとしての魅力をさらに高めたものとなっています。インテリアには直感的に状況が把握できるように、配置、大きさ、色、明るさなどにこだわった[Honda SENSING Elite]表示灯と12.3インチ フル液晶グラフィックメーターを採用しています。
Hybrid EX・Honda SENSING Eliteは100台の限定生産となります。販売はリースのみで、価格は1100万円(税込)となっています。


ホンダセンシングエリートについての詳細はこちらhttps://www.honda.co.jp/hondasensing-elite/