実証実験の概要(イメージ)
実証実験の概要(イメージ)

小田急電鉄とJR東日本は、2021年1月18日から3月12日まで、町田市内でオンデマンド交通を活用するMaaSの実現に向けた実証実験を実施すると発表しました。

小田急電鉄とJR東日本は、鉄道会社の垣根を越えて「シームレスに移動できる社会の実現」を目指して連携を推進しており、今回の実証実験は、東京都が公募した「令和2年度MaaS社会実装モデル構築に関する実証事業」に選定されたことにより、取り組むものです。

オンデマンド交通は少人数、定員制の交通サービスであり、新しい生活様式を見据えた移動手段として活用できるとしています。今回、実証実験の場となるのは、小田急とJR横浜線の町田駅と路線バスで結ばれて幅広い年代層が居住する、町田市山崎町周辺で、多様な生活サービス施設が整備されているエリアです。

ひとつ目の施策が、町田市山崎町周辺に26カ所のミーティングポイントを設けてのオンデマンド交通「E-バス」の運行です。小田急電鉄が提供するMaaSアプリである「EMot」から、希望の乗降地点を配車リクエスト画面で選択すると、自宅近くなどの「乗車地点」から目的地近くの「降車地点」までの配車を手配することができ、支払いも同時に完結します。

「E-バス」は、すでに小田急電鉄を中心にして同エリア内で無償運行での実証実験を行っていますが、今回はサービス実用化に向けて、さらなる運用上の改善を図るためもあり、有償での運行となります。

EMotの配車画面イメージ
EMotの配車画面イメージ
乗降地点
乗降地点

そして、ふたつ目の施策が「公共交通および駅周辺商業施設の連携策」です。利用推進を行います。「小田急百貨店町田店」「ルミネ町田」で、一定金額以上買い物をすると「E-バス」と神奈川中央交通の路線バス(一部のみ)を無料で利用できるチケットを発行します。目的は駅周辺の商業施設と公共交通の一体的な利用での相乗効果を検証するものです。

公共交通および駅周辺商業施設の連携策の概要(イメージ)
公共交通および駅周辺商業施設の連携策の概要(イメージ)

そして、3つ目がJR東日本が提供している「リアルタイム経路検索」の対象に小田急線全線と、神奈川中央交通の路線バス全線を追加し、両社の公式アプリであるEMotとJR東日本アプリで提供することで、より移動時の利便を高めることを目指しています。

表示イメージ
小田急線が2分遅れ、JR横浜線が定刻通りの運行の場合のアプリ表示イメージ

なお、両社はMaaS分野ですでに、2020年1月から3月にかけて『立川おでかけアプリ』を用いて立川駅周辺エリアで実証実験を行っており、今回は2度目の連携となります。