群馬県前橋市において5G技術を活用した自動運転バスの公道実証が2月15〜28日にかけて実施されます。ルートは前橋駅から中央前橋駅までの約1km の区間。日本中央バスが運行する一部のバスを対象に自動運転の実証が実施され、通常運行のバス同様、どなたでも乗車できます。
今回の実証実験では、5G技術の高速・大容量・低遅延のメリットを活かし、自動運転遠隔管制や路車間通信を実現するソリューションの技術検証が行われます。限定した地域でのレベル4自動運転の社会実証を想定し、完全自動運転を行うということですが、ドライバーが乗車し、緊急時にはドライバーの判断で手動運転に切り替えることで安全性を担保。また、安全確認のため、公道走行時に群馬大学研究・産学連携推進機構次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)の遠隔管制室から遠隔監視が行われます。
実証用バス 遠隔管制室(CRANTS内)
5G技術を利用することによって、車両のカメラの映像は遠隔管制室へ高速・大容量のデータ転送が可能になるほか、路側に設置したカメラやセンサー情報を収集、死角の映像情報を遠隔管制室へ高速・大容量でデータ転送が可能になります。さらに、エッジコンピューティングによる低遅延の特性を活かし、路側センサーから必要な情報を車両制御に直結させることで、緊急停止等のリアルタイム性が求められる運行管制も支援するといいます。そして、これらの情報をNECの学習型通信品質予測技術と学習型メディア送信制御技術を活用することで、走行車両や路上カメラの通信品質を可視化・予測し、それに応じてカメラ映像から注目領域の画質を自動調整することにより、カメラ映像の送信データ量を削減して通信遅延を抑え、通信の安定化を図るといいます。

●実証参加団体と役割
ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(TOPIC):全体統括、コンソーシアム事務局
群馬大学:前橋5Gの自動運転連携に関する技術分析評価およびその実装と横展開に関する検討
日本モビリティ:5G対応型遠隔管制システム、5G対応型自動運転システムの提供
日本電気(NEC):技術統括、ローカル5G基地局・エッジコンピューティング・学習型通信品質予測技術・学習型メディア送信制御技術の提供、他地域実証推進