
すでに本サイトでもお知らせしたように、東京の西新宿で自動運転タクシーの実証実験が行われています。これはティアフォー、Mobility Technologies、損害保険ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジーの5社が、新宿副都心エリア環境改善委員会と「西新宿地区のスマートシティ化推進に向けた連携協定」を締結して行っているもので、環境改善委員会による次世代モビリティ実証実験企画において、第5世代移動通信システム「5G」を活用し、自動運転システムを導入したJPN TAXI車両を公道走行させるサービス実証を、2020年11月5日から11月8日まで西新宿エリアで実施しています。
また、荏原交通、帝都自動車交通、日本交通、日の丸交通の4社が交通事業者として実証実験にオブザーブ参加し、自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築等に関するアドバイスを行うというものです。
2020年12月8日から23日まで、同様の実証実験を行い、自動運転システムを導入したタクシー専用車両「JPN TAXI」の複数台による同時公道走行の実用性や、複数の乗降場所の中から出発地・目的地を設定した際の最適ルート判別機能の有効性が検証されます。また、5Gを活用した遠隔監視システムによって、複数台の車両の状態をリアルタイムでモニタリングします。なお、12日間にわたる実証実験中、7日間は関係者参加とし、5日間は一般参加による実証実験が行われます。

●今後について
東京都および日本工営(注)は、世界に先駆けた自動運転システムの社会実装を行い、ビジネスモデルを確立するため、本実証実験を通じて得られた結果をもとに法的課題や採算性などを検証し、自動運転サービスの事業化に向けた課題抽出、採算性やニーズの分析、地域の課題に対応した新たな移動サービスのあり方の検討。ティアフォー、MoT、損保ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジーの5社は、西新宿エリアを含む公道での本実証実験の成果を活用し、公共交通の担い手不足や交通弱者への対応といった社会課題を解決するための手段として、自動運転タクシーの事業化に向けてタクシー事業者との連携を深めながら、取組みを進めていくとしています。
※今回の実証実験は東京都が委託した事業プロモーター(日本工営)が、自動運転技術と先端的なICT技術などを組み合わせたビジネスモデルプロジェクトを公募し、外部有識者などによる審査によって優れた取組が選定されました。
また、ティアフォー、MoT、損保ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジーの5社は、2019年11月に自動運転タクシーの社会実装に向け協業体制を構築していて、本実証実験における各社の役割分担は下記となります。
ティアフォー
- オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を活用した自動運転タクシー車両の開発
- 自動運転車両を運行するために必要な配車管理システム・遠隔監視システムなどの周辺システムの開発および提供
- 自動運転車両のセーフティドライバー・システムオペレーターの提供
MoT
- 自動運転車両を活用したサービス展開(エンドユーザー向けマーケティング、配車アプリ開発など)
- 配車・遠隔監視などの運行管理システムの開発(バックエンド・アプリ側)
- サービスオペレーションセンターの体制構築
損保ジャパン
- 自動運転タクシー運行にかかるリスクアセスメント
- 遠隔ドライバー・自動運転車両オペレーター用設備であるコネクテッドサポートセンターの活用
- 自動運転車両向け保険の提供
KDDI
- 自動運転向け通信基盤(5G、LTE、固定回線など)の提供(通信基盤の検討の一部は、株式会社KDDI総合研究所が担当)
- 配車アプリと連携したマルチモーダルプラットフォームによるサービス展開
- 配車・遠隔監視などの運行管理システムの開発
アイサンテクノロジー
- 自動運転タクシー用の高精度3次元地図の提供