クボタ X tractor
写真は2020年1月にクボタが公開した完全無人の自動運転トラクタのコンセプトモデル「X tractor」

公道上だけでなく、限定された空間での自動運転化についても、様々な産業で開発が進んでいます。通常は工場内などとなりますが、農業の分野でも自動運転化は急務とされています。その理由としては、農家毎の個別生産から大規模営農へと移行しているということがあります。大規模化することで、効率化が求められますし、高齢化や人材不足の問題も加わってくるなど、自動運転化が急務とされる条件が多く潜在しています。

クボタでは、以前よりトラクターなどの自動運転化に力を入れ、無人農機の開発だけでなく、データ活用による精密農業を目指してきましたが、この度、NVIDIAと戦略的パートナーシップを締結することで連携を強化することが発表されました。これにより、それまでのGPSを使用した車両開発からAIシステムを活用したものへとさらなる進化を目指しています。

自動運転、つまり次世代型無人農機の実現でポイントになるのは、周囲の状況を正確に把握する「目」と、瞬時にそして高いレベルで次の動きを判断する知能化が必要で、そのためには車載できしかも遅延のない「エッジAI」での画像認識が欠かせません

今までも高い計算処理能力を持つGPUと、それを利用したAI開発プラットフォームを提供しているNVIDIAと連携して開発を進めてきましたが、パートナーシップ締結によって、さらなる開発のスピードアップが期待されています。

今後はさらに、天候や生育状況などのデータから適切な農作業を判断し、適時に実行に移すことまでできる次世代の完全無人農機を実現すべく研究を進めるとしています。日本の基幹産業でもあり、食の安心安全にも関係する国内営農の未来は無人農機の進化・開発にかかっていると言っても過言ではありません。その動きには注目です。