自動運転も含めた、将来的な車両研究開発は、コストだけでなく、リソースの問題など、ひとつのメーカーでは対応するのは難しくなってきていると言われています。世界中の自動車メーカーは提携や合併を行い、離合集散を繰り返していますが、背景にあるのは”未来への対応”です。
日本のメーカーも例外ではありませんが、ホンダについては独立独歩でやってきた数少ないメーカーのひとつです。もちろんパートナーとして他メーカーとの協業は行っていて、アメリカのGMとは以前より密接な関係にあります。本協業に先駆けた2020年4月に、アルティウムバッテリーを搭載するGMのグローバルEVプラットフォームをベースにして、ホンダ向けの新型EVを2モデル、共同開発することに合意しています。また、燃料電池やバッテリー、自動運転モビリティサービス事業専用車といった分野での協業は20年以上前から行っています。

今回、さらに北米での四輪事業について、アライアンス確立に向けて、幅広い協業の検討を始める覚書を締結したとの発表がありました。これは北米市場で、それぞれのブランドで販売される車両向けの研究開発はもちろんのこと、共同購買やコネクテッドサービスなどの領域で協業も含まれていて、今後はその可能性を検討するとのことです。
具体的には、北米市場での複数のセグメント向けに、エンジンと電動パワートレーンを含めたプラットフォームの共有に向けた検討を開始する予定としていて、2021年初頭の共同作業開始を目指しています。
このほか、部品の共同購買や生産効率を初めとした、様々な領域で協業に取り組むことで、技術力の向上だけでなく、コストの低減を実現して、その分を次世代の先進技術領域への投資を可能として、将来、共同開発するプラットフォームやパワートレーンの研究開発費用を共同で負担することも検討しています。
この共同開発の中には、電子プラットフォーム、次世代ADAS、インフォテインメント、コネクティビティー、V2Xといった次世代先進技術も含まれていて、この分野での協業も将来的に進める可能性は大いにあります。実際にGMのコネクテッドサービス「OnStar(オンスター)」のセーフティ&セキュリティ機能を、ホンダの新型EVに組み込んで、「HondaLink(ホンダリンク)」に統合することをすでに発表しています。