
三菱ふそうの小型トラックシリーズ「Canter(キャンター)」にラインナップされているのが、「eCanter」です。ご存知のように、世界的に電動化の流れは大きく盛り上がっていて、物流面にも広がってきています。三菱ふそうでは世界に先駆けて、2017年にeCanterを発売し、世界中で160台以上が稼働中で、合計200万キロ以上の走行実績があるとのことです。

モーター(最大出力135kW、最大トルク390Nm)と、370V・13.5kWhの高電圧リチウムイオンバッテリーパックを6個搭載していて、急速充電で最大約1.5時間、普通充電では最大約11時間の充電で、航続距離は約100kmを可能にしています。十分、実用に耐える性能を確保していて、ゼロエミッション化はもちろんのこと、商用車ならではの騒音や振動対策にも貢献しています。
2020年8月には、各種安全装備を標準装備として、進化しました。新規搭載されたのはまず、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS [Advanced Emergency Braking System])で、フロントバンパーに搭載した高精度ミリ波レーダーが、前走車や停止車両、歩行者を検知し、衝突の危険を察知するとドライバーに警報を発し、ブレーキを作動させて衝突回避をサポートします。

また、車両安定性制御装置(ESP [Electronic Stability Program])は車両姿勢をセンサーで常時検知。カーブなどで横転等の危険性が生じた場合に、モーターの駆動力や4輪のブレーキを制御し、適正な車両姿勢を維持して、横転の危険回避を支援します。

そして車両逸脱警報装置(LDWS [Lane Departure Warning System])はウィンカー操作を行わずに車両が車線を越えた場合に、白線認識カメラによって車線逸脱を検知して、ドライバーにブザーで注意を喚起します。

進化したeCanterによって、ゼロ・エミッション輸送に向けたさらなる前進となるだけでなく、各種安全装置による、ドライバー負担の軽減や自動運転による物流の変革への道筋がさらに明確化したと言っていいでしょう。
