西新宿と東池袋で自動運転プロジェクトを実施

東京都では、戦略政策情報推進本部を設置して、様々な試みを積極的に実施しています。なかでも自動運転技術については「我が国の成長戦略として大きな意義を有するとともに、東京都の抱える社会的課題を解決できる可能性を持っている」として力を入れています。

自動運転技術の実用化をさらに加速させるために、東京都が行っているのは、自動運転事業者や交通事業者等による自動運転技術と、それ以外の先端的なICT技術等を組み合わせたビジネスモデルプロジェクトの支援事業です。8月13日、令和2年度(2020年度)の支援プロジェクトを発表しました。

このプロジェクトは、東京都が委託した事業プロモーターを通じてビジネスモデルプロジェクトを公募するもので、「ハイレベル部門」と「早期実現化部門」のふたつがあって、前者は「従来の実証と比較して、先端的なICT技術を積極的に利活用し、自動運転技術やビジネスモデル等の面でハイレベルな内容であるプロジェクト」としています。後者については、早期の実用化(概ね3年以内)が期待できるプロジェクトとなっています。

東京都 自動運転プロジェクト スキーム図

今回選出されたプロジェクトは、応募されたものの中から外部有識者等によって特に優れた取組として選ばれたものです。今後は、事業プロモーターの支援等を受けながら、各プロジェクトが都内で展開され、実証実験については、それぞれ2週間程度実施される予定です。

今回選定された、西新宿エリア1件、東池袋1件となる、計2件のプロジェクトを紹介しましょう。

■プロジェクト1:ハイレベル部門
「5Gを活用した自動運転タクシーの事業化に向けた運行管理実証」

【プロジェクト実施者】

MobilityTechnologies、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジー

【プロジェクト概要】

地域交通網の弱体化やタクシー業界が抱える担い手不足等の社会課題に対して、5G通信技術等の先端技術と人流の多い西新宿のフィールドを活用して、自動運転タクシーの事業化による解決を目指して実証試験を実施。

【プロジェクトで使用する予定のハイレベルな技術やサービス】

4G/5G混在エリアでの連続車両運行、及び一人で複数車両を監視する遠隔管制によって車両を管理して、専用モバイルアプリからのオンデマンド配車(即時配車)を実施。

【実験車両概要】

トヨタ製のJPNタクシーを使用して、歩車分離された道路環境での車線変更や交差点右左折、停止等を、すべてシステムが自動で操作(緊急時のみドライバーが介入)。

東京都プロジェクト 自動運転タクシー
【実施予定地】

西新宿エリア

【実証オブサーバー】

荏原交通、帝都自動車交通、日本交通、日の丸交通等

■プロジェクト2:早期実用化部門
「地域の公共交通・サービスと連携した自動運転の実用化」

【プロジェクト実施者】

WILLER

【プロジェクト概要】

まちなか交流バス「IKEBUS」ほか、結節する公共交通と接続した運行、飲食・物販のネット注文・宅配サービス、大学向けサービス等の実証を行い、2022年度中の事業化を目指して、地域回遊性と実用性・事業性の向上を検証。

【プロジェクトで早期実現化を目指すサービス】

アプリによる公共交通のデジタル・キャッシュレス利用、飲食・物販のネット注文・宅配サービス提供の早期実用化。

【実験車両概要】

NAVYA社製のARMAを使用して、事前にマッピングしたルートにおいて右左折、停止などをすべてシステムが自動で操作(緊急時のみセキュリティスタッフが介入)。

東京都プロジェクト ARMA
【実施予定地】

東池袋エリア(としまみどりの防災公園(愛称:IKE・SUNPARK)、サンシャインシティ周辺)