モーター駆動のEVは、いわゆるエンジンルームの冷却が不要となるため、アリアのグリル部分は、スモークがかったパネルでカバーされています。パネルは内部に配置されたプロパイロットなどの先進技術を支えるセンサー類を守る役目に代わっていくことから、日産ではシールドと表現しています

日産は2023年度末までに、EVまたはe-POWERを搭載した電動車両の販売を年間100万台以上、また、先進運転支援技術「プロパイロット」を20の市場で、20以上のモデルに搭載し、年間150万台以上の販売を目指すという。7月15日に発表されたクロスオーバーEV「アリア」は、日産の新しいロゴを採用し、その決意を象徴したモデルといえるでしょう。

日産初のクロスオーバーEVとなるアリアには、2種類のバッテリーサイズと2種類の駆動方式が用意されています。90kWhバッテリー搭載モデル(2WD)では最大610kmの航続距離を誇り、65kWhバッテリー搭載モデル(AWD)は前後に搭載したモーターと、4輪のブレーキを繊細にコントロールし、プレミアムスポーツカーに匹敵、もしくはそれを凌ぐ運転性能を備え、さらに 90kWhバッテリー搭載モデル(AWD)は、ハンズオフを可能とする「プロパイロット2.0」が標準搭載されます。

7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーで、白線、標識、周辺車両を検知。スカイライン同様、ハンズオフを可能にするプロパイロット2.0を採用しています

プロパイロット2.0は、7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーで、白線、標識、周辺車両を検知し、さらにナビゲーションシステムと3D高精度地図データを使うことで、制限速度をはじめとした道路状況を把握しながら、ドライバーがつねに前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフ走行を可能とします。さらには、準天頂衛星システムなどからの高精度測位情報を受信し、自車位置をより高精度に把握することが可能となっています。

アリアには「プロパイロット パーキング」も搭載されます。駐車可能なスペースを自動で検知し、駐車に必要な操作を支援。簡単な3つのステップで前向き駐車、後向き駐車、縦列駐車に対応しドライバーの駐車のストレスを軽減します。さらに、車外から操作で駐車する機能「プロパイロット リモートパーキング」も搭載されます。

リーフに採用されているプロパイロットパーキングを搭載。駐車可能なスペースを自動で検知し、駐車に必要な操作を支援するのはもちろん、車外からの操作で駐車できる機能(プロパイロットリモートパーキング)を搭載しています

先進のコネクテッド技術もアリアの特徴で、スマートフォンでドライブブランを立て、クルマの情報を確認しながらルートをクルマに転送。乗り込む前にリモートでエアコンをオンにすることも可能。空調やナビゲーションも音声で操作することができます。また、Amazonが提供する音声サービス、Amazon Alexaが搭載されており、音楽の再生や天気予報の確認、家族や友人との通話、スマートホームデバイスのコントロールなどを音声のみで操作可能としています。
また、無線でクルマのソフトウェアをアップデートする機能を備え、つねにソフトウェアを最新の状態に保つことができます。

ダッシュボードには従来のような物理的なスイッチはなく、クルマの電源を入れるとアイコンが浮かび上がります。このスイッチは単なるタッチセンサーではなく、運転中でも操作感がわかるように振動するハプティクススイッチになっています。アクセルペダルの踏み加減を調整するだけで発進、加速はもとより、減速をコントロールすることが可能なe-Pedalも搭載しています

日本での発売は2021年中頃を予定しており、CEV補助金の金額によって変わってきますが、実質購入価格は約500万円からとなる見込みです。欧州、米国、中国でも2021年末までに展開を予定しており、新たな日産の技術とビジョンをアピールしていくことになるでしょう。