3点式シートベルトを開発し、パテントを無償公開して、世界中にその安全技術を開放したボルボ 。つねに、高い安全思想を持ち、時代時代で先進技術をロードカーに投入して、多くの命を救ってきました。そのボルボは先進安全運転技術にもいち早く取り組んでおり、インテリセーフと呼ぶシステムをラインアップモデルに搭載。今回はV60をピックアップし、カーライフエッセイスト吉田由美さんと、SIP cafeマスター清水和夫が、その使い方からドライビングの印象までレポートします。

標準装備されるボルボの安全・運転支援機能INTELLISAFE

City Safety(オートブレーキ) 先進のミリ波レーダーとデジタルカメラを利用して危険を検知し、運転者に警告。そして、衝突の危険を検知すると、オートブレーキ(被害軽減)を作動させることで衝突の回避または、衝突被害の軽減を図ります。

対向車対応機能  自車と同一車線を進行してきた対向車の接近を検知する、ボルボ初の革新的な安全装備です。衝突を回避できないと判断された場合、衝突による被害を最小限に抑えるため、自動的にブレーキを作動させます。

歩行者・サイクリスト・大型動物検知機能(夜間含む) 昼間 だけでなく薄暗い環境下でも自車前方の歩行者やサイクリストを識別し、衝突の危険が生じた際にはドライバーへ警告。適切な回避操作が行われなければ自動(被害軽減)ブレーキを作動させます。大型動物検知機能は、前方のヘラジカやトナカイ、馬などの大型動物を検知し、衝突の危険を察知した際にはドライバーへ警告を行い、必要に応じ自動(被害軽減)ブレーキを作動させます。

インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能) 交差点を右折しようとしている際に対向車の動向を監視し、対向車と衝突する危険度が高いと予測された場合は自動(被害軽減)ブレーキを作動させ、交差点内での対向車との衝突の回避を図ります。こうした状況では、車両が危険を検知してから衝突を回避する操作を実行するまでに時間的な余裕がないため、衝突警告を発すると同時にフルブレーキを作動させます。

ステアリング・サポート(衝突回避支援機能) ステアリング・サポート機能は、自動(被害軽減)ブレーキだけでは衝突を回避できない場合に、ハンドル操作を自動的に補って障害物の回避を支援する安全技術です。ドライバーによるハンドル操作が障害物の回避に不十分であれば、適切な操作量を確保できるようにステアリング操作を自動的に補助します。同時に、前後内輪のブレーキを作動させ、緊急回避操作を安全に行えるように支援します。

衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート) 駐車スペースから後退して出庫するときの安全を確保するための装備。リヤバンパーに内蔵されたミリ波レーダーによって、接近する車両、歩行者やサイクリストの存在を検知します。検知された場合は警告音でドライバーに知らせるとともに、必要に応じてオートブレーキ(被害軽減)を作動させ、衝突の回避または衝突被害の低減を図ります。

オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能) 意図せずに自車線を逸脱し、センターラインを越えて対向車線へ進入してしまった際に、自車に接近する対向車との衝突の危険度が高いと判断されると、速やかに元の走行車線へと復帰できるようにステアリングを自動修正し、衝突回避をアシストする機能です。

被追突時警告機能(静止時ブレーキ維持機能付) 後方から急接近する車両による追突の危険を検知した際に、ハザードランプを通常よりも速く点滅させて後方のドライバーに注意を促します。さらに追突の危険が迫ると、フロントのシートベルトを自動的に巻き取り、乗員を衝撃から保護します。また、自車が停止している場合には、最大の制動力で自動(被害軽減)ブレーキを作動させ2次被害の衝突を防ぎます。

ステアリング・アシスト付BLIS(後車衝突回避支援機能付ブラインドスポット・インフォメーション・システム) リヤバンパー左右に内蔵されたミリ波レーダーにより、後方から接近する車両の存在を知らせるBLISに、ステアリング・アシストが加わりました。ドアミラーガラスに内蔵されたインジケーターが点灯中に車線変更または無意識に自車線から逸脱した際に、隣接車線の車両と衝突する危険度が高いと判断されると、元の車線へ戻るようにハンドルを自動修正し、衝突回避を支援します。

全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール) 設定した速度を上限として、前方車両との車間距離を自動的に調整しながら加速、巡航、減速、停止までを交通の流れに合わせて自動で行い、長距離ドライブの疲労を軽減。前走車が減速して停止すると追従して前走車の後ろで停止し、ブレーキ作動状態を維持します。時速70kmを超えて先行車に追従している際にウインカーを操作して追い越す意思を示すと、車両を一時的に加速させてスムーズな追い越しを支援する「追い越しアシスト」機能も備えています。

パイロット・アシスト(車線維持支援機能) 全車速追従機能付ACCを設定して高速道路などを走行中にパイロット・アシストを作動させると、車線を維持するためにハンドルを穏やかに自動修正するアシストが働き、わずかなハンドル操作で車線の中央を保持できるよう支援します。この機能は渋滞中でも車線を維持するようにハンドル操作をアシストし、先行車や隣接車線の他車と 接触するリスクを低減させてドライバーの疲労を軽減。単独走行中でも作動させることができます。

LKA(レーン・キーピング・エイド) 進行方向の車線を監視し、無意識のうちに走行中の車線を逸脱しそうになっていると判断された場合に、走行中の車線を保持できるようにハンドルを穏やかに自動修正します。ハンドルの自動修正では不十分な場合、あるいは隣接する車線へと進入してしまった場合は、警告音やハンドルの振動で注意を促します。

LCMA(レーン・チェンジ・マージ・エイド) リヤバンパーの左右コーナーに内蔵されたミリ波レーダーにより、隣接する車線の自車後方に急接近する車両の存在が検知された場合、左右ドアミラーガラスに内蔵されたインジケーターの該当する側を点灯させてドライバーに注意を促します。さらに、インジケーターが点灯中にもかかわらず車線変更のウインカーを作動させると、点灯していたインジケーターを点滅させてドライバーに警告します。

RSI(ロード・サイン・インフォメーション) 制限速度や追い越し禁止などの重要な道路標識をカメラで読み取り、デジタル液晶ドライバー・ディスプレイ内に表示。刻々と変化する道路標識の情報をわかりやすく伝え、運転に必要な情報の見逃しを防ぎます。速度警告機能では、制限速度を超過したときに標識のシンボルを一時的に点滅させるように設定することができます。

DAC(ドライバー・アラート・コントロール) 左右車線(走行区分線)と自車の位置関係をカメラで監視するとともに、ドライバーのステアリング操作をチェック。運転中の眠気や注意力低下による運転のふらつきなど異常な走行状況を感知すると、警告音でドライバーの注意を喚起し、休憩を促すメッセージとコーヒーカップのマークをデジタル液晶ドライバー・ディスプレイ内に表示します。同時に、停車させて安全に休憩できる最寄りの地点を、ナビゲーション画面で知らせます。

パーク・アシスト・パイロット(縦列・並列駐車支援機能) ドライバーに代わってハンドル操作を自動で行い、駐車を支援します。駐車可能なスペースがあることを検知すると、センターディスプレイと液晶ドライバー・ディスプレイに自動操舵の開始を表示。ドライバーは周囲の安全を確認し、ハンドルから完全に手を離して、ブレーキとアクセル、シフトレバーの操作をするだけで駐車できます。縦列駐車だけでなく、直角方向への車庫入れ、縦列駐車からの発進にも対応しています。

360°ビューカメラ クルマを真上から見下ろしているかのようなバードアイ映像を作成し、自車周辺の状況をダッシュボードの9インチセンターディスプレイに表示。障害物の有無などを自車の全周にわたって視認できるので、簡単かつ安全に駐車することができます。