すでにトヨタとNTTの資本提携はお伝えしましたが、NTTとゼンリンが資本業務提携を発表しました。協業を推進していくだけでなく、NTTはゼンリンの普通株式420万株(発行済株式の7.32パーセント)を取得するとしています。

ゼンリンと言えば、住宅地図などでお馴染みの企業であり、最近では膨大なデータなどを活用した高度な地図製作ノウハウを武器にして、デジタル時代においても積極的な展開を図っています。

今回の提携の背景にあるのは、MaaSや自動運転、トヨタが進めるスマートシティで使用するシステムを作り出すことです。NTTは以前から「4Dデジタル基盤」を構想しています。これから研究開発に入るものとされ、ヒト・モノ・コトでのセンシングデータを様々な高速で解析して活用するもので、未来予測も含まれています。その実現にはまず「高度地理空間情報データベース」が大切となるとされています。

4Dデジタル基盤の概念図

この「高度地理空間情報データベース」というのは、地図データを高精度化するのはもちろんのこと、高い精度の3D空間情報や5Gを活用した瞬間的なデータ収集などが必要となってきます。ベースにあるのは地図データ、そしてそのノウハウということで、今回のゼンリンとの提携に至ったと言えます。

都市内の活動の効率化や防災、環境保全に活用できるだけでなく、自動車では効率的で快適な移動の実現に欠かせないものとなります。各車両からの情報を高速で解析したり、高精度を利用した車線単位での交通把握やリアルタイムでの交通量予測など、自動運転に大きく貢献するシステムの構築をNTTはゼンリンのノウハウを利用しつつ、トヨタも交えて目指しているのです。

4Dデジタル基盤が提供する価値 説明図