トヨタ自動車は、コネクティッドカーから得られたビッグデータを活用することで、ペダルの踏み間違いによる異常なアクセル操作を特定し加速抑制を行う「急アクセル時加速抑制機能」を開発したと2月3日発表しました。また、この機能を今夏に発売する新型車から順次導入するとともに、この新機能が備わった既販売車種向けの後付け踏み間違い時加速抑制システムが同時期に商品化されます。

トヨタ自動車では、ペダル踏み間違いによる事故の抑止・被害軽減のため、新型車には2012年からインテリジェントクリアランスソナーを導入し、現在では32車種(トヨタ26車種、レクサス6車種)の車両に搭載されています。また既販売車種向けに、2018年からは後付けの踏み間違い時加速抑制システムを発売しています。

それでも、これらの装置はセンサーで検知できるクルマや壁などの障害物がある場合の踏み間違い事故にのみ対応するもの。対して新たに開発された機能は、障害物のない状況でも異常なアクセル操作時に加速を抑制することを狙いとしています。

この技術開発にあたっては、実際の踏み間違い事故発生時に、アクセルペダルが全開で踏まれた状況を分析したということです。そして、その操作の特徴をコネクティッドカーから得られたビッグデータと照合。右折時や一時停止後など、ドライバーが実際に急加速を必要とする状況を除くことにより異常なアクセル操作状況を特定して割り出し、障害物がなくても加速を抑制する設定としたとのことです。

障害物がない場合のペダル踏み間違い判定

この技術の普及によって、駐車場等でのペダル踏み間違い事故を一層減らすことが期待できるでしょう。ちなみに、この機能の考え方については、他の自動車メーカーも含めて幅広く共有していく計画としています。

現在、後付けの踏み間違い加速抑制システムは12車種に対応し、2019年12月末時点で約2万300台に装着されているそうです。新機能が備わったシステムがより多くの車種向けに設定されることが期待されます。

これは2018年12月に発売された後付けの踏み間違い加速抑制システム。前後バンパーに超音波センサーを装着し、室内にアラートの表示機を設置。前方・後方の“障害物に向かって急発進”してしまった場合の加速を抑制する機能を備えています。※道路状況、車両状態、天候状態等によっては、作動しない場合があるのでご注意を