
2019年の上海モーターショーで発表されたアウディAI:ME。未来の大都市のためのモビリティコンセプトとしてお披露目されたショーモデルに、今回のCESで試乗する機会を得ました。
試乗を前に、AI:MEのプロフィールを簡単にお伝えしましょう。全長は4.3m、全幅は1.9mです。これは一般的なコンパクトカーとほぼ同じです。しかし、2.77mのホイールベースと1.52mの全高は、ひとつ上のクラスと同等の室内寸法を備えていることを示しています。これは、電気駆動システムの構造が可能にしたものです。125kW(170ps)を発生する駆動ユニットは、リヤアクスルに搭載されています。
AI:MEは、市街地走行用として設計され、レベル4の自動運転機能を備えていますが、その機能は高速道路や都市部の限定区域に限定されています。クルマがその条件に適合した地域から離れた場合は、ドライバーが運転の責任を引き受けなければなりません。このためAI:MEは、ハンドルとペダル類を備えています。ところが、それらの制御装置は、レベル4状態では格納できるよう設計されています。広大な空間を存分に体感できるのです。

では、運転から解放されたドライバーは移動中どのように過ごすか。アウディはそこに焦点をあて、独自の価値を提案しています。インフォテインメントシステムの映像を出力するVRゴーグルが標準装備され、乗員はVRゴーグルを使用してインターネットを閲覧したり、映画を見たり、対戦ゲームを楽しむこともできます。今回は中国風の古民家が立ち並ぶ丘陵地帯を、まるで鳥になったかのような目線で景色を楽しむことができました。それはクルマの動きにシンクロしていて、違和感なく、そして退屈することなく“自動運転タイム”を過ごせるという印象でした。
さて、清水和夫マスターの試乗動画は次のレポートでご覧いただけます。

