ピレリは、タイヤによって検出された路面の情報を5Gネットワーク経由で送信するシステム、「5G拡張ADAS(先進運転支援システム)サービス」を発表。11月14日にデモンストレーションが行われました。

センサーを搭載したタイヤは、ハイドロプレーニング現象が起きた際に、周辺の車両にもその情報を5Gネットワークによって伝達する様子を示しました。タイヤは、車両と道路の唯一の接点。この技術によって、車両とドライバーは、道路・交通インフラ全体と通信できるようになるのです。センサーを装備することで、将来、水たまりの有無や、走行距離、タイヤにかかる負荷、路面の潜在的な危険状況に関するデータを受け取ることができます。

例えば、路面のグリップが悪いという情報が入力されれば、車両は運転支援システムを適正に制御し、安全性、パフォーマンスのレベルを保持することが可能です。さらに、他の車両と情報を共有することもできます。

こうした技術が将来のモビリティや自動運転システムにも役立つと考え、“繋がるタイヤ”の開発に積極的に取り組むと述べています。

これに似た取り組みが、東京モーターショー2019の横浜ゴムブースでも発表されています。

横浜ゴムはタイヤもCASE対応およびIoT化が必須と考え、新技術展示を行いました。そのなかのConnected(コネクテッド)において、従来のタイヤ空気圧検知に加えて、摩耗検知、路面検知、それらのデータをデジタルツールで処理・管理していくソリューションビジネスの展開を視野に入れての研究開発の様子を披露。タイヤから得られたデータをユーザー等にフィードバックするシステムやアプリケーションの開発も視野に入れ、タイヤセンサー開発の加速化が急務と判断。アルプスアルパインと共同開発を進めています。

横浜ゴムは、2004年に当時では国内タイヤメーカー初となる乗用車向けタイヤ空気圧モニタリングシステム「AIR watch(エアーウォッチ)」を開発。

運輸・輸送会社向けにはトラック・バス用のTPMS(Tire Pressure Monitoring System)として「HiTES(ハイテス)」を2003年から発売しています。これは、システムから得たタイヤ運用履歴などを横浜ゴムのタイヤ・マネジメント・システムと連動させることで、運行傾向の分析やタイヤ点検時期のお知らせなど、ユーザーの総合的な車両運行管理のレベル向上と、リトレッドタイヤの推進に活用されるものです。

自動運転化が進む将来に向け、タイヤも大きな役目を果たす時代が到来するかもしれません。アクセルやブレーキのきめ細かい操作や、路面状況に合わせた速度調整、他のシステムとの協調などによって、安全かつ快適な走行シーンを支えるパーツとなる可能性を秘めていると言えるでしょう。