SIP自動運転シンポジウム第3部

SIP自動運転では、2014年第1期開始からの9年間の集大成となる成果展示会および自動運転シンポジウムを3月7・8日(火・水)、秋葉原UDXにおいて、経済産業省および国土交通省との共催により開催しました。 2023年3月8日に開催されたSIP自動運転シンポジウム 第3部「クルマの“脳”は誰が作る〜自動運転を支える半導体からOS、アプリまで」の開催中、来場者・視聴者の皆様から寄せられたご質問について、講演者のソニー・ホンダモビリティ株式会社COO 川西泉氏からの回答を以下のとおりご紹介します。

Q ソフトウェアの考え方は理解できましたが、その基盤となる OS と Hardwareとの協調性・継承性についてはどのようなコンセプトでしょうか? 悪い例を挙げれば、win11 PCのようにHardware依存となるようなものであれば、一声10年の車には受け入れられないと思います。

A 技術トレンドの観点でいうと、ハード的なスペックがある程度担保できるという前提において、OS(ソフトウェア)とハードウェアの関係はできるだけ非依存な関係が望ましいと考えます。 ただし、先端のハードウェア(特にSoC)の進化を考えると、従来のクルマのライフサイクルとは必ずしも一致していないため、車載ECUの進化をどのようにクルマの商品性に取り込んでいくかは今後の課題だと思います。

Q AFEELAについて、新しい取り組みであり最新技術を取り込んだ商品の最初のマーケットを北米にした理由は何でしょうか。認証、法規制、市場傾向などの観点で、日本で始める事が北米マーケットよりマイナスとなる理由があるのでしょうか。今後開発は別として、自動運転を含む最新技術の商品を日本で売り出すことは世界より遅れるのでしょうか。

A 高付加価値EV・デジタルサービスの需要があるマーケットとしてまずは北米を選定しています。 また、日本の会社であり、ぜひ日本のユーザーにお届けしたいという思いがあり、日本の皆様にもお届けいたします。(デリバリー:2026年春US、2026年内日本)

Q なぜプロトタイプとしてセダンタイプを選択されたのでしょうか?新たなモビリティの形を体現する上では、既存の車両を踏襲しないという考え方もあると思います。空間を重視するのであれば、SUVやミニバンのほうが相性が良いのではないかと思います。差し支えない範囲でご意見を伺わせてください。

A 高付加価値帯商品として、世界で戦いぬく力のあるブランドとしてスタートさせたいと思っています。 モビリティは家の次に高い買い物であり、Mobility Tech Companyとして、テクノロジーやサービスを強化すると共に、それらをEmotionalに憧れる商品を通じて最初に提供したいと考えておりセダンを選択しました。 (ご存じのとおり、Sedanマーケットは全体需要としては減少していますが、そのぶん貴重なEmotionalセグメントになっています)

Q トヨタや日産ではなく、ホンダと一緒にやっていくとなった大きな決め手は何かありますでしょうか。

A 創業の背景が近しいということもありますが、両社ともに新しいことに対してチャレンジする姿勢が同様であり、当初のワークショップでの議論からフラットにできていたという背景があります。

SIP自動運転シンポジウム第1部
SIP自動運転シンポジウム第2部
RoAD to the L4シンポジウム~自動運転の社会実装に向けた”いま”と”これから” 第1部:RoAD to the L4の全体像
RoAD to the L4シンポジウム~自動運転の社会実装に向けた”いま”と”これから” 第2部:「手の届く先の未来にある自動運転」