モビリティ分野のさまざまなデータを活用し、京都の観光・交通課題の解決を図るアプリコンテスト『KYOTO楽Mobiコンテスト』では、応募作品の選考を経て優秀作を決定し、11月7日に表彰式が行われました。

表彰式に合わせてパネルディスカッション「ポスト・コロナにおける京都の観光・交通の課題と解決」も実施。パネリストには、京都観光おもてなし大使で壬生寺の副住職である松浦俊昭氏、選考委員長の慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 白坂成功教授、SIP自動運転プログラムディレクター葛巻清吾氏、京都市都市計画局 歩くまち京都推進室・保田光春課長らが参加。SIP cafeマスターの清水和夫がコーディネーターを務めました。

1.最優秀賞(敬称略)

●歩くまち・京都賞(京都市長賞 アプリ開発部門)
受賞者:松岡輝樹
作品名:(仮)京都観光アシスト

●SIP自動運転賞(内閣府政策統括官〔科学技術・イノベーション担当〕賞 アプリアイデア部門)
受賞者:東京都立産業技術大学院大学 武蔵恵理子、河西大介/NTTデータフロンティア 畑中倫也
作品名:手ぶらで歩きたくなるアプリ-Teburan-

2.各賞(敬称略)

●交通混雑改善賞(Sponsored by NAVITIME)
受賞者:東京工業大学 環境・社会理工学院 朝倉研究室 山下優希
作品名:てくてく京都ツアー

●交通案内改善賞(Sponsored by ヴァル研究所)
受賞者:日本情報通信 原田洋平
作品名:寄り旅~移動経路に最適化された観光案内アプリ~

●エリア混雑改善賞(Sponsored by ヤフー)
受賞者:システム・サイエンス
作品名:こみこみスポット

●「手ぶら観光」促進賞(Sponsored by 京都市観光協会)
受賞者:デンソー 溝口翔太
作品名:Etrip

●モニター賞(アプリ開発部門の作品を対象とした利用調査で、モニターからの評価が最も高かった作品)
受賞者:日本情報通信 原田洋平
作品名:寄り旅~移動経路に最適化された観光案内アプリ~

「歩くまち・京都賞(京都市長賞 アプリ開発部門)」を受賞した「(仮)京都観光アシスト」は、出発地点と時刻、目的スポットの滞在時間などを入力すると、おすすめルートが表示される仕組み。交通情報データを総合的に活用し、これまでになかった京都市バスのルートが検索できる点も、利用者目線に立っていると高く評価されました。

開発者の松岡輝樹さんは、「息子が京都の大学に進学し、京都を訪れることが増えた。外部から訪れる観光客にとって、市バスや地下鉄など複雑な公共交通機関を乗りこなすのは意外と難しい。アプリを通して補助ができれば」と話しました。

また、SIP自動運転賞(内閣府政策統括官〔科学技術・イノベーション担当〕賞 アプリアイデア部門)となった「手ぶらで歩きたくなるアプリ-Teburan-」は、「手ぶら観光」がテーマ。旅行者が単に荷物を預けるだけでなく、地元NPOとの連携など地域との交流を取り入れた点が評価されました。

受賞者のひとりであるNTTデータフロンティアの畑中倫也さんは、「手ぶらで旅に出ることをきっかけに、地域の人々との交流が生まれる。事業者にも経済的恩恵がある。観光客だけでなく、市民や事業者にとっても新しい価値の発見となるようなアプリにできたと思う」とコメントしています。

データの活用を通じて、京都の観光・交通課題を解決する『KYOTO楽Mobiコンテスト』。本コンテストをきっかけに、京都の街がさらに魅力的な観光都市として発展できるよう、各方面からの期待が寄せられています。

最優秀賞概要 https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20201110bessi.pdf